裁判を自分だけで出来るか?本人訴訟のリスクと限界について

 裁判しなければいけない問題が起こりました。

 でも、弁護士に依頼するお金がない、もしくは惜しい。

 果たして、裁判は個人でも行うことは出来るのでしょうか?

目次

【結論】

 弁護士に依頼しなくても、裁判をすることは出来ます。しかし、それなりの法律の知識がないと、裁判で勝つことは難しいです。

【解説】

本人訴訟の現状

 弁護士をつけないで裁判をすることは法律で禁止されていませんので個人で訴訟を提起することは可能です。

 弁護士に依頼せず個人で訴訟を提起する場合、「本人訴訟」(ほんにんそしょう)と言います。

 実際に、裁判所で弁護士を依頼せずに本人訴訟をしている人は割と多いのです。

 原告(訴えた側)よりも、被告(訴えられた側)の方が本人訴訟が多い印象です。

 ただし、裁判は、証拠に基づいた法的に意味のある主張立証(しゅちょうりっしょう)をしないと、思うような結果が得られません。

 自分の言い分をいくら声高に力説しても、法的に意味のある主張立証になっていなければ、裁判官を納得させることは出来ません。

 裁判は、決して、プレゼン能力が高い人が勝つ場ではありません!

 本来は、勝てたはずの裁判なのに、主張立証がきちんと出来ないばかりに負けてしまったという結果も十分に起こり得ます。

弁護士を頼まずに一審で負けてしまった場合

 一審で敗訴した方から、控訴(こうそ)したいけど、どうしたらよいかと法律相談を受けることがあります。 

 控訴審になって、弁護士を依頼して挽回することも不可能ではありませんが、正直言って難しいです。

 控訴審は、一審での内容を前提に行いますので、一審で適切な主張立証してなかったことは、不利な事実として残ります。その点について、いくら弁解したとしても、裁判所は、自己責任として取り合ってくれません。

 ですので、弁護士に依頼しない意思を固めていても、裁判をする前には、一度弁護士に法律相談をすることをお勧めします。

 県や市役所等で実施している弁護士無料法律相談を利用するのもいいと思います。

 弁護士から、裁判の見通しや、失敗しないためのアドバイスを受けることで、大失敗を防ぐことは出来る可能性が高まると思います。

相手方に弁護士が就いている場合

相手方に弁護士が就いている場合、あなたが、弁護士に依頼しないで自分で裁判を行った場合、不利な状況であることは、漠然と理解できるかと思います。実際も、その通りの事が多いです。

一番危険なのは、あなたが、相手方との戦力差に気付かないことです。あなたが、弁護士に依頼していない状況で、相手弁護士にやり込まれていると感じている方が、まだ状況は良いのです。

なぜならば、裁判の争点に対する理解があまりに乏しいと、相手弁護士から、何を言われているのか、なぜその証拠を提出されているのか理解出来ないために、自分がかなり形勢が不利な状況におかれていることに最後まで気付けないからです。

こういう場合、おそらくあなたは、「訳が分からない判決が出た」、「裁判官は相手の言い分を一方的に聞いて自分の主張を聞かずに判決した、極めて不公平な裁判だ!」と憤ることになります。

この段階に至って、弁護士に相談に来られる方がいますが、判決内容を拝見しますと、相談者の言っていることは全く裁判ではお門違いの主張のことが多いのです。残念ですが、もはや取り返しのつかない状況です。

したがって、相手方に弁護士が就いて裁判になっている場合、弁護士を依頼せざるを得ない状況であると考えてください。放置すると、弁護士費用以上の損失を被る可能性があります。

よかったらシェアしてください

コメント

コメントする

目次
閉じる