【勘違いしやすい法律用語】被告と被告人の違い分かります?

 みなさん、被告(ひこく)と被告人(ひこくにん)の違いを説明できますか?

 どちらも、裁判の当事者を指す法律用語ですが、両者は同じ意味ではありません。 

 実は、この2つの用語、マスコミは意図的?に使い分けていません。犯罪を犯して刑事裁判になっている人のことを「被告」とマスコミは呼んでいます。

 今回は、勘違いやすい法律用語である、被告と被告人について解説します。

目次

被告と被告人の意味・違いについて

 この点、裁判の種類には、ざっくりいうと民事裁判刑事裁判の2つがあります。裁判には、この2つの種類があるということを知らないと、被告と被告人の違いが明確に理解できません。

 民事裁判は、当事者間に争いがある場合に、白黒つけるためのものです。例えば、お金の貸し借りで紛争になっている場合、欠陥住宅の修理や賠償金で紛争になっている場合、交通事故の損害賠償請求で争いになっている場合など。

 他方、刑事裁判とは、犯罪を犯したと疑われている人に対し、本当に犯罪を犯したのか、犯したのであればどのような刑罰を与えるべきかについて判断するものです。

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被告の意味

 民事裁判の当事者のことを、「原告」、「被告」と呼びます。

 原告(げんこく)は、訴えを提起した者を意味し、被告とは、裁判で訴えられた者を意味します。

 したがって、被告とは、民事裁判で相手方から訴えられている人のことを指す言葉です。

 民事訴訟法(みんじそしょうほう)という法律で「原告」「被告」という法律用語が出てきます。

被告人の意味

 他方、刑事裁判で、起訴された人を「被告人」と呼びます。

 起訴(きそ)とは、検察官が、特定の犯罪について裁判所に対し、裁判を求める手続です。公訴の提起(こうそのていき)と呼んだりもします。

 また、起訴される前の犯罪を犯したと疑われている段階の人を「被疑者」(ひぎしゃ)と言います。

 このように、被告人とは、特定の犯罪を犯したとして刑事裁判で訴追されている人のことを指します。

 刑事訴訟法(けいじそしょうほう)という法律で、「被告人」「被疑者」という法律用語が出てきます。

まとめ

 以上の通り、民事裁判で訴えられた人を「被告」といい、刑事裁判で起訴された人を「被告人」と呼びます。いずれも裁判で訴えられている人ですから、被告にも被告人にも正直なりたくないですよね。

 この点、マスコミは、このような使い分けをしないで、刑事裁判の被告人のことを被告と呼んでいますが、法律的には不正確な言い方です。

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